ゲームVCの音声入力モード「音声検出」と「PTT」、あなたに合うのはどっち?選び方ガイド【超初心者向け】
ゲームでボイスチャット(VC)を使うとき、「自分の声がどんなタイミングで相手に聞こえるか」は、VCソフトの設定によって変わります。特に重要なのが「音声入力モード」という設定です。
このモードには主に2種類あり、それぞれ「音声検出」と「PTT(Push to Talk)」と呼ばれています。どちらを選ぶかで、VC中の話しやすさや快適さが大きく変わるため、自分に合ったモードを選ぶことが大切です。
この記事では、超初心者の方に向けて、この2つのモードの違い、それぞれのメリット・デメリット、そしてどんな人におすすめなのかを、分かりやすく解説します。
音声入力モードとは?
音声入力モードとは、あなたのマイクから入力された音声を、VCソフトを通して相手に送る「きっかけ」を決める設定のことです。
例えるなら、VCという名の「電話回線」に対して、あなたの「声」をいつ、どのように乗せて送るか、というルールを決めるようなものです。
主なモードは次の2つです。
- 音声検出(Voice Activity Detection: VAD): 声を出すと自動でマイクがオンになり、話し終わると自動でオフになるモードです。
- PTT(Push to Talk): 設定した特定のキー(ボタン)を押している間だけ、マイクがオンになるモードです。キーから指を離すとマイクがオフになります。
では、それぞれの詳しい内容を見ていきましょう。
声が出たら自動でオンになる「音声検出」モード
「音声検出」モードは、あなたがマイクに向かって話し始めると、VCソフトがそれを「検出」して自動的にマイクをオンにする仕組みです。
「音声検出」のメリット
- 操作が不要で楽: 声を出すだけでマイクがオンになるため、ゲーム中に特別な操作をする必要がありません。これは、特にアクションゲームなど、常に両手でゲーム操作をしている場合に非常に便利です。
- 会話がスムーズに始まる: 話したいと思ったときにすぐに声を出せるため、リアルな会話に近い感覚でコミュニケーションできます。
「音声検出」のデメリット
- 意図しない音が入る可能性がある: あなたの周囲の音(キーボードを叩く音、マウスのクリック音、家族の声、くしゃみなど)も、VCソフトが「声」と判断してマイクをオンにしてしまうことがあります。これにより、一緒にプレイしている相手に不快な音を聞かせてしまう可能性があります。
- 設定調整が必要: マイクがオンになる音量の基準(しきい値)を調整しないと、小さすぎる声でオンにならなかったり、小さな物音でもオンになってしまったりすることがあります。この設定調整が少し難しいと感じるかもしれません。
「音声検出」モードはこんな人におすすめ
- ゲーム操作に集中したい方(常にキーボードやコントローラーを両手で操作している方)
- リアルタイムでのスムーズな会話を重視する方
- 比較的静かな環境でプレイできる方
- VCソフトの設定にある程度慣れていて、しきい値の調整ができる方
ボタンを押している間だけオンになる「PTT (Push to Talk)」モード
「PTT(Push to Talk)」モードは、「話すために押すキー」を自分で設定し、そのキーを押している間だけマイクがオンになる仕組みです。
「PTT」のメリット
- 意図しない音をシャットアウトできる: キーを押している間だけマイクがオンになるため、話したいとき以外はマイクがオフになっています。これにより、キーボード音、マウス音、部屋の物音など、あなたの周囲のノイズが相手に聞こえるのを防ぐことができます。
- プライバシーを守りやすい: VC中に、ゲームとは関係ない会話や生活音などが、間違って相手に聞かれてしまう心配がありません。
- 設定がシンプル: 基本的には「どのキーをPTTキーにするか」を設定するだけで使えます。音声検出のように、音量のしきい値を細かく調整する必要はほとんどありません。
「PTT」のデメリット
- キー操作が必要: 話すたびにPTTキーを押す必要があります。ゲームの操作に加えてもう一つキー操作が増えるため、慣れるまでは少し忙しく感じるかもしれません。
- 会話が少し遅れる可能性がある: 話し始める前にPTTキーを押す必要があるため、瞬間的な相槌や割り込みが少し難しくなることがあります。
- 適切なキー選びが重要: ゲーム操作を妨げないような、押しやすいPTTキーを選ぶ必要があります。
「PTT」モードはこんな人におすすめ
- 自分の周囲の音(キーボード音など)が気になる方
- 一緒にプレイしている相手にノイズを聞かせたくない方
- 家族などが近くにいて、プライバシーに配慮したい方
- ゲーム操作に慣れていて、PTTキーを押す余裕がある方
- 設定を簡単に済ませたい方
あなたに合うのはどっち? 選び方のポイント
「音声検出」と「PTT」のどちらが良いかは、あなたのプレイスタイルやゲーム環境によって異なります。どちらのモードにも一長一短があるため、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。
簡単な比較として、以下を参考にしてみてください。
| 特徴 | 音声検出(自動でオン) | PTT(キーを押してオン) | | :--------------- | :----------------------------------------- | :----------------------------------------------- | | マイクオンのタイミング | 声が出たら自動 | 設定したキーを押している間だけ | | 操作の手間 | なし | 話すたびにキーを押す | | 周囲の音の入りやすさ | 〇(設定によっては入る) | △(キーを押さなければ入らない) | | 会話のスムーズさ | ◎(すぐに話せる) | 〇(キー操作が必要) | | 設定の調整 | △(しきい値調整が必要な場合がある) | ◎(基本的にキー設定のみ) | | こんな人におすすめ | ゲーム操作に集中したい、静かな環境、スムーズな会話重視 | 周囲のノイズが気になる、プライバシー重視、キー操作に余裕がある |
迷う場合は、まずはPTTを試してみることをおすすめします。PTTであれば、意図しない音が相手に聞こえる心配が少ないため、VCを始めたばかりの方でも安心して使いやすいでしょう。PTTに慣れてきて、「話すたびにキーを押すのが面倒だな」と感じたり、ゲーム操作との両立が難しかったりする場合に、「音声検出」を試してみるのも良い方法です。
また、VCソフトによっては、音声検出の「しきい値」を細かく調整できる機能があります。この設定をうまく使うことで、意図しない音が入りにくくすることも可能です。
VCソフトでの設定場所(一般的な例)
ほとんどのVCソフトでは、設定メニューの中に「音声」や「ボイス」といった項目があり、そこで音声入力モードを選択できます。
- VCソフトの設定画面を開く。
- 「音声」や「ボイス」、「入力デバイス」などの項目を探す。
- 「音声入力モード」や「入力モード」といった項目で、「音声検出」または「PTT」を選択する。
- PTTを選択した場合は、「PTTキー」や「ショートカットキー」といった項目で、マイクをオンにするためのキーを設定する。
- 音声検出を選択した場合は、「音声感度」や「しきい値」といった項目が表示されることがある。この設定バーを調整することで、どのくらいの音量でマイクがオンになるかを調整できます。
具体的な設定方法は、お使いのVCソフトによって少しずつ異なります。もし設定方法で迷った場合は、各VCソフトの公式ヘルプや、「伝わるVC入門」の他の記事(例: Discordの設定ガイドなど)も参考にしてみてください。
まとめ
ゲームVCをより快適に楽しむためには、あなたのプレイスタイルや環境に合った音声入力モードを選ぶことが大切です。「音声検出」は操作の手間がなくスムーズな会話が魅力ですが、周囲の音が入る可能性があります。「PTT」は意図しない音を防ぎやすい安心感がありますが、キー操作が必要です。
まずはPTTを試してみて、慣れてきたら音声検出も試すなど、実際に両方のモードを使ってみて、一番しっくりくる方を選ぶのが良いでしょう。
自分に合った設定を見つけて、ゲームVCをもっと楽しんでくださいね。